2017年7月20日木曜日

行政学 第7回

日本の行政機構はどのような構造を有しているのだろうか
どういった特徴を持っているのだろうか


◆現在の中央省庁

・1府12省庁制・・・内閣府がトップ
・内閣府の仕組み:①合議制②分担管理③首相指導

◆行政組織の基本構造

◎内部部局・・・官房と局、部、課の総称。省内部の事務を行う組織。
◎外局・・・・・内部部局の外に設置された委員会や庁。半独立的。(金融庁など)

◎なぜ外局があるのか?
・高度専門的な内容なため
・内局に置くと中立性が保たれないため(そのため公正取引委員会などは外局に設置される)

◆日本の省庁体制の特徴

①府省が安定。全然変わらない。(ちなみに行政機関の編成が内閣の構成を決める)
②定員管理の制度が強く、組織構造に変化が起こりにくい。行政機関の膨張抑制に貢献したが、政策課題に弾力的に対応できにくい(鉄格子効果)
③大臣庁(庁であるが大臣が設置される)による調整→内閣主導を目的として設置されたが、結果はそうならなかった。

→全体的に硬直的で、外部からの干渉を排除した性格。内閣の影響力は制限的である



◆グレーゾーン組織

日本の行政システム・・・中央政府従事者の割合が世界的に見ても少ない。その代わり地方公務員や、準行政機関・外郭団体(=グレーゾーン組織)従事者が多い
→地方公務員・グレーゾーン組織の影響力や担う役割は大きいかも?

◎グレーゾーン組織①:準行政機関
①特殊法人
②特殊会社
③認可法人

準行政機関や外郭団体の役割、批判とは?
+行政機能の代行や補完   -機能重複による非効率性、民業圧迫、不祥事の温床


◎グレーゾーン組織②:業界団体
同業の企業が集まり、業界の利害調整を行う非営利組織。行政活動の一部を担いつつ、行政に対し、行政への働きかけを行う
+円滑な政策形成・実施、政府コストの抑制   -民民規制による競争阻害、癒着

◇行政システムの再編

40年間中央省庁体制に変化がなく、グレーゾーン組織に頼ってばっかりいる体制に疲弊してきた。

◆行政改革の課題

55年体制では政治・行政不信が続いた→行政改革が叫ばれる。

・内閣機能の強化
・省庁再編
・独立行政法人化
・政策評価
などが改革点となった。


◆中央省庁再編

①省庁を目的・昨日に即した編成に。
②巨大省庁の誕生→これまでの省庁を約半分に減らし、スリム化。
③内閣官房の強化→内閣を支えるバックグラウンドを強化
④内閣府の設置→他省庁からも一段高い立場から企画立案、総合調整。

◆新しいグレーゾーン組織:独立行政法人

独立行政法人:政府の事業のうち、独立して運営したほうが効率的な部門に、法人格を与えて分離独立させた法人のこと。大学、博物館、病院、研究機関など。
「効率的」とは具体的に、

・政策形成と政策実施を分離→自律性、透明性の向上
・公務員数の削減

をいう。
特殊法人と異なり、法人税や固定資産税などは納めなくてはならない。また、行政評価も実施される。

◆再編は成功したのか?

①省庁再編によって、統合はできたか?→まぁまぁできた。国土交通省、総務省など。
②内閣機能拡充で得たものは?
+首相や内閣主導の統治(の可能性) -内閣官房・内閣府の肥大化。司令塔昨日の喪失
→政策課題の増大でリーダーシップが発揮しづらいのでは?(←2015年にこれは多少解決済み)
③独立行政法人で得たものは?→癒着の減少。ただし実質的にどうかはまだなんとも


◇まとめ

・なぜこれまで行政体制が変わらなかったのか?
→日本の省庁体制は定員管理の精度が強く、組織構造がの変化が生じにくいうえ、分担管理で行政が行われていたため内閣によるリーダーシップもあまり大きくなかった。

・なぜ体制を変えられたのか?
→55年体制による政治や行政不信の連続から、体制の改革への要求が国全体として高まったから。

・グレーゾーン組織とは?
→どこの管理下かあいまいな制度の狭間にある領域を埋める組織で、民間にはできない巨大プロジェクトや、効率的な運営を行うことができる反面、民業圧迫や天下り、癒着などが見られ不祥事の温床ともなっていた。その欠陥を埋めるため近年で新たなタイプのグレーゾーン組織も登場しており、組織に変化が生じている。

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