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構造が複雑
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正確に把握できなければ間違った解決案
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どういう構造・性質をしているかを把握することが重要
◆政策問題の特性
◆政策問題の複雑性
①全体性・・・ほかの問題としばしばリンク
②相反性・・・改善が他の問題の悪化につながることも
③主観性・・・様々な解釈
④動態性・・・絶えず変化していく
◆政策問題の3つの構造
①良構造・・・明確、単一、コンセンサスあり、最適化→結果が予想しやすい
②悪構造・・・無限定的、不明確、複数、コンフリクト→予測が難しい
③半構造
・・・現実的に良構造な問題は少なく、ほとんどが悪構造。◆第3種過誤
悪構造は、第三種過誤を引き起こしやすい。
◎第3種過誤:間違った設定の問題を(正しいと間違って)解くこと。明後日の方向に解くこと。ex)大店法など
※第1種過誤:正しい帰無仮説を間違ったものとして棄却する誤り(偶然ではないのに、偶然だと結論してしまう)
※第2種過誤:間違っている帰無仮説を正しいものとして判断する誤り(偶然なのに、偶然出ないと結論してしまう)
※この二つの誤りは統計的検定でよく発生する。
◆問題構造化の検討
◆ハードシステム思考の限界
政策学科の初期では、「自動化の選好(=合理化)」が目指されていた。その中心的な考え方が「ハードシステム思考」である。
◎ハードシステム思考:与えられた明確な目的から、最適な手段を選択すること
良構造的な問題なら、ハードシステム思考は行えるが、良構造な問題はほとんどない=ほ多くが「悪構造」
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目的だけでなく、何が問題化もはっきりしない問題が増えてきた
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「自動化の選好」の失敗(=政策システムの限界)
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問題がどのような構造なのかに注目すること、問題を構造化することが重要となる
◆政策過程での問題構造化
◆議論への注目
議論を中核とした政策分析がされるようになる。「公共政策は言葉で作られる=議論への注目が大事」
・実証主義的政策分析の限界(問題点)
※実証主義=理論や仮説、数値データなどを用いた、論理的な立場。政策学では前提となる考え方。
①政策分析のイデオロギー性・・・分析の時点で主観が入る(価値搭載性)
②社会的構成としての事実・・・社会にある「事実」は、人の頭で作られたもの
③政策分析の政治性・・・分析の段階で、政治的な視点が入る。
・ポスト実証主義
今までの実証主義に限界が来たなら、考え方を転換する必要がある。
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具体的には
①解釈論・・・アクター間の認識の差異、行為の背景や意図に注目
②批判理論・・・政策決定の過程におけるコミュニケーションの問題に注目。議論や審議を重視。
※実証主義とポスト実証主義の違い
実証主義・・・物事の因果関係の説明を重視
ポスト実証主義・・・因果化関係よりも、結果に至るまでの過程を重視
◆言説への注目
ポスト実証主義の流れの中で、言説への関心は非常に高まった(ポスト実証主義は「公共政策=言葉で作られる」という考え方だから)。
・言説分析・・・政策での言説(言葉による表し方)に関する分析。言葉の書かれ方がどのように政策過程に影響しているか
①メタファー(=暗喩)・・・ある言葉・言い方が、ほかの事象を強く印象付け連想させること。ex) "acid rain(酸性雨)"…いかにも環境に悪そうな言い方をすることで、酸性雨=悪という印象が付く。
②物語のストーリーライン(あらすじ)・・・我々は、複雑な状況に直面すると、それを単純にとらえられるように「物語」としてとらえる。この存在が、問題の構造化に大きな影響を与える。
つまり、
メタファーによる誘導
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ストーリーラインで一定の因果関係を埋め込み単純化
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ストーリラインをもとにした人々の問題認識、問題構造化(=まずい問題だと認識付け)に影響。
◆フレームへの注目
※フレーム=状況を認識し、行動案を選択する認識枠組み(ものの見方)
◎政策分析に「フレーム」の概念を入れるとどうなるだろうか?
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政策問題における構造化で、このフレームがどのように調整されるかが重要になる
↓
問題に取り組む人々の間で、フレームの仕方が異なると、問題も複雑化する
↓
問題を構造的に考えるには、当事者同士で、議論などを通しフレーム(捉え方)を一致させる=リフレーミングすることが重要である
ex1)「生存率92%」と死亡率「8%」だと、前者の表現・提示の仕方のほうが受け入れられやすい印象になる→フレーミング効果という
ex2)リスクの認識は、素人と専門家で異なる
素人・・・リスクの大きさを重要視
専門家・・「リスクの大きさ×リスクの発生率」二つの掛け算を重要視
↓
「がんの原因になる項目」
素人・・・タバコ、食品添加物、大気汚染、公害…
専門家・・タバコ、加齢、飲酒、偏食・過食…
↓
もはや違う宗教。
※特に以下の二つのフレーミングが対立する
・自然主義的フレーミング:科学に基づいたフレーミング
・非自然主義的フレーミング:上の逆
②それぞれのフレーミングをもとに、リフレーミング
・それぞれの主観を配慮し、議論、熟考をしたうえで。
③新たなフレーミングの設定
・それぞれのアクター間が合意できるフレームを作る。
お互いの価値観が激しく対立するとき
↓
それまでのように、いきなり価値観を統一しようとしても、それぞれの人々が価値観を容易に変えることは考えにくい
↓
ならば、まずはお互いがある程度合意できるレベルで、合意形成を行うことが必要になる(同床異夢)
↓
その後、細かい部分の対立や課題に取り組むことで、政策が前進する
この流れ、特に同床異夢の状態を作るには、リフレーミングが有効なのである。
これらのように、リフレーミングを通した合意形成の流れをリフレーミングプロセスという。
ex)富山のLRTと熊本のLRTの比較。
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政策問題における構造化で、このフレームがどのように調整されるかが重要になる
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問題に取り組む人々の間で、フレームの仕方が異なると、問題も複雑化する
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問題を構造的に考えるには、当事者同士で、議論などを通しフレーム(捉え方)を一致させる=リフレーミングすることが重要である
ex1)「生存率92%」と死亡率「8%」だと、前者の表現・提示の仕方のほうが受け入れられやすい印象になる→フレーミング効果という
ex2)リスクの認識は、素人と専門家で異なる
素人・・・リスクの大きさを重要視
専門家・・「リスクの大きさ×リスクの発生率」二つの掛け算を重要視
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「がんの原因になる項目」
素人・・・タバコ、食品添加物、大気汚染、公害…
専門家・・タバコ、加齢、飲酒、偏食・過食…
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もはや違う宗教。
◆どのようにフレームを調整するか?
①フレーム対立の明確化→それぞれの人がどのようなフレームを持っており、どこに、どのような対立が起きているのかをはっきりさせる※特に以下の二つのフレーミングが対立する
・自然主義的フレーミング:科学に基づいたフレーミング
・非自然主義的フレーミング:上の逆
②それぞれのフレーミングをもとに、リフレーミング
・それぞれの主観を配慮し、議論、熟考をしたうえで。
③新たなフレーミングの設定
・それぞれのアクター間が合意できるフレームを作る。
◆リフレーミングへの注目
では、リフレーミングは合意形成のためのツールとなるだろうか?お互いの価値観が激しく対立するとき
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それまでのように、いきなり価値観を統一しようとしても、それぞれの人々が価値観を容易に変えることは考えにくい
↓
ならば、まずはお互いがある程度合意できるレベルで、合意形成を行うことが必要になる(同床異夢)
↓
その後、細かい部分の対立や課題に取り組むことで、政策が前進する
この流れ、特に同床異夢の状態を作るには、リフレーミングが有効なのである。
これらのように、リフレーミングを通した合意形成の流れをリフレーミングプロセスという。
ex)富山のLRTと熊本のLRTの比較。