◆公共政策学における制度
制度自体が独立変数となり、アクターの行動を規定する。社会的・政治的帰結をもたらす。
◆新制度論
それまでアクターは自己の利益を最大化する行動をとると考えられていたが、実際は個々のアクターは自分の関連する制度によって行動をとるという考え方で、制度そのものを独立変数として捉え、制度による政治的・社会的帰結に注目する。理論化志向。多元主義は政策形成と社会の関係しか見ていないとして批判される。
◆制度
「制度」の定義は人によってさまざまな解釈がされているが、その理由は制度の多様性にある。制度を多様にするのは、その階層性、公式な制度と非公式な制度(明文化されているかいないか)の存在、制度と組織の区分が不明確な部分にある。
◆新制度論のアプローチ
新制度論を分析するアプローチには、国家や社会構造の政策選択の構造、国家間の比較を行ったうえでその政策がどのような過程でつくられどのような影響を及ぼしてきたか(政策遺産)を分析する歴史歴制度論、公式な制度が、経済人の合理的な行動にどのような影響を与えるかを分析する合理的制度論、行動を選択するうえでの「認識」「社会通念」「同型化」現象に注目して制度との関係分析をする社会学的制度論の3つがある。
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では、アクターの行動の制約となる制度は、実際のどのような影響を及ぼすのだろうか?
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◆制度による影響
制度は、だれが参加するのか、アクター間の力関係、決定におけるルールに対して機能する。参加者については、どのような場で決定するか、ということを制度で定めることにより、誰が政策決定に関与できるかが決められる。権力関係については、制度が誰にどのような権限を与えるかにより、アクター間の力関係が規定される。この際、上位組織からそれに属する会組織に対して強制的圧力が働き、特定の政策選択に影響を与える。また政策決定の場では、参加者がどのように行動をとるかということや決定までのプロセスが制度によって制約されている。誰が法案を提出でき、どこで審議し、いつまでに決定するといったようにプロセスが制度化され、アクターはその制度にあわせたゲームを行うようになる。このとき政策決定に大きな影響を与えるのが、拒否点である。拒否点とは政策決定過程において特定のアクターが拒否権を行使できる段階のことで、拒否点の数がどのくらいありどこに存在するかにより、政策選択や政策の変化に影響を及ぼす。
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