◆選択肢の制約
制度によって、誰が政策決定に参加し、どのようなプロセスで政策が形成されるかが規定される。アクターはその制度の下で行動を選択するわけだが、その行動の選択自体にも制度による制約がある。制度が、アクターの行動における選択肢を規定するということである。
◆制度による選択肢の提示
制度はしばしばアクターが取りうる選択肢を提示し、それによってアクターの行動が制約される。アクターは、制度の下で自己利益追求の認識をし、場合によっては再定義することになる。
◆歴史的制約
アクターにとっての行動の選択肢はすべて明文化されたものではなく、過去に定められた制度が現在の制度の決定に一定の制約を加えることもある。そのような政策を政策遺産という。特に、過去の制度が現在の制度を強くもしくは他の制度を選ぶのを困難にさせることをロックイン効果という。制度の変更にはコストがかかる上、一度制度が出来上がると粘着性も強くなってしまうために経路依存性(初期の制度選択における歴史的偶然性)が強くなってしまうのである。
◆同型化
行動の選択肢に制約を与える要因として、同型化も挙げられる。同型化は、技術に適応する競争的同型化と社会通念に対応する制度的同型化に分けられ、政策学の分野では後者が注目される。「~はこうあるべきだ」という社会通念という非公式の制度がアクターの認識に影響を及ぼすことによって、間接的に選択肢の範囲が同一の選択肢に限定される。同型化のメカニズムには3つある。同町圧力によって生じる強制的同型化、不確実性を回避するために他の組織の模倣をする模倣的同型化、業界の標準や規範への追従圧力から生じる規範的同型化である。
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