◆選択肢の制約
制度によって、誰が政策決定に参加し、どのようなプロセスで政策が形成されるかが規定される。アクターはその制度の下で行動を選択するわけだが、その行動の選択自体にも制度による制約がある。制度が、アクターの行動における選択肢を規定するということである。
◆制度による選択肢の提示
制度はしばしばアクターが取りうる選択肢を提示し、それによってアクターの行動が制約される。アクターは、制度の下で自己利益追求の認識をし、場合によっては再定義することになる。
◆歴史的制約
アクターにとっての行動の選択肢はすべて明文化されたものではなく、過去に定められた制度が現在の制度の決定に一定の制約を加えることもある。そのような政策を政策遺産という。特に、過去の制度が現在の制度を強くもしくは他の制度を選ぶのを困難にさせることをロックイン効果という。制度の変更にはコストがかかる上、一度制度が出来上がると粘着性も強くなってしまうために経路依存性(初期の制度選択における歴史的偶然性)が強くなってしまうのである。
◆同型化
行動の選択肢に制約を与える要因として、同型化も挙げられる。同型化は、技術に適応する競争的同型化と社会通念に対応する制度的同型化に分けられ、政策学の分野では後者が注目される。「~はこうあるべきだ」という社会通念という非公式の制度がアクターの認識に影響を及ぼすことによって、間接的に選択肢の範囲が同一の選択肢に限定される。同型化のメカニズムには3つある。同町圧力によって生じる強制的同型化、不確実性を回避するために他の組織の模倣をする模倣的同型化、業界の標準や規範への追従圧力から生じる規範的同型化である。
2017年8月2日水曜日
2017年8月1日火曜日
政策学の復習 その4 ~政策決定と制度①~
◆公共政策学における制度
制度自体が独立変数となり、アクターの行動を規定する。社会的・政治的帰結をもたらす。
◆新制度論
それまでアクターは自己の利益を最大化する行動をとると考えられていたが、実際は個々のアクターは自分の関連する制度によって行動をとるという考え方で、制度そのものを独立変数として捉え、制度による政治的・社会的帰結に注目する。理論化志向。多元主義は政策形成と社会の関係しか見ていないとして批判される。
◆制度
「制度」の定義は人によってさまざまな解釈がされているが、その理由は制度の多様性にある。制度を多様にするのは、その階層性、公式な制度と非公式な制度(明文化されているかいないか)の存在、制度と組織の区分が不明確な部分にある。
◆新制度論のアプローチ
新制度論を分析するアプローチには、国家や社会構造の政策選択の構造、国家間の比較を行ったうえでその政策がどのような過程でつくられどのような影響を及ぼしてきたか(政策遺産)を分析する歴史歴制度論、公式な制度が、経済人の合理的な行動にどのような影響を与えるかを分析する合理的制度論、行動を選択するうえでの「認識」「社会通念」「同型化」現象に注目して制度との関係分析をする社会学的制度論の3つがある。
↓
では、アクターの行動の制約となる制度は、実際のどのような影響を及ぼすのだろうか?
↓
◆制度による影響
制度は、だれが参加するのか、アクター間の力関係、決定におけるルールに対して機能する。参加者については、どのような場で決定するか、ということを制度で定めることにより、誰が政策決定に関与できるかが決められる。権力関係については、制度が誰にどのような権限を与えるかにより、アクター間の力関係が規定される。この際、上位組織からそれに属する会組織に対して強制的圧力が働き、特定の政策選択に影響を与える。また政策決定の場では、参加者がどのように行動をとるかということや決定までのプロセスが制度によって制約されている。誰が法案を提出でき、どこで審議し、いつまでに決定するといったようにプロセスが制度化され、アクターはその制度にあわせたゲームを行うようになる。このとき政策決定に大きな影響を与えるのが、拒否点である。拒否点とは政策決定過程において特定のアクターが拒否権を行使できる段階のことで、拒否点の数がどのくらいありどこに存在するかにより、政策選択や政策の変化に影響を及ぼす。
制度自体が独立変数となり、アクターの行動を規定する。社会的・政治的帰結をもたらす。
◆新制度論
それまでアクターは自己の利益を最大化する行動をとると考えられていたが、実際は個々のアクターは自分の関連する制度によって行動をとるという考え方で、制度そのものを独立変数として捉え、制度による政治的・社会的帰結に注目する。理論化志向。多元主義は政策形成と社会の関係しか見ていないとして批判される。
◆制度
「制度」の定義は人によってさまざまな解釈がされているが、その理由は制度の多様性にある。制度を多様にするのは、その階層性、公式な制度と非公式な制度(明文化されているかいないか)の存在、制度と組織の区分が不明確な部分にある。
◆新制度論のアプローチ
新制度論を分析するアプローチには、国家や社会構造の政策選択の構造、国家間の比較を行ったうえでその政策がどのような過程でつくられどのような影響を及ぼしてきたか(政策遺産)を分析する歴史歴制度論、公式な制度が、経済人の合理的な行動にどのような影響を与えるかを分析する合理的制度論、行動を選択するうえでの「認識」「社会通念」「同型化」現象に注目して制度との関係分析をする社会学的制度論の3つがある。
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では、アクターの行動の制約となる制度は、実際のどのような影響を及ぼすのだろうか?
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◆制度による影響
制度は、だれが参加するのか、アクター間の力関係、決定におけるルールに対して機能する。参加者については、どのような場で決定するか、ということを制度で定めることにより、誰が政策決定に関与できるかが決められる。権力関係については、制度が誰にどのような権限を与えるかにより、アクター間の力関係が規定される。この際、上位組織からそれに属する会組織に対して強制的圧力が働き、特定の政策選択に影響を与える。また政策決定の場では、参加者がどのように行動をとるかということや決定までのプロセスが制度によって制約されている。誰が法案を提出でき、どこで審議し、いつまでに決定するといったようにプロセスが制度化され、アクターはその制度にあわせたゲームを行うようになる。このとき政策決定に大きな影響を与えるのが、拒否点である。拒否点とは政策決定過程において特定のアクターが拒否権を行使できる段階のことで、拒否点の数がどのくらいありどこに存在するかにより、政策選択や政策の変化に影響を及ぼす。
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